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けんです。こんにちは

 こんにちは、現代っ子の入谷真理耶です。中学3年生で受験勉強に大忙しです。唐突ですが塾から帰宅中、道端に剣が落ちていました。不法投棄でしょうか。
『そこの少女よ。私の声が聞こえるか』
 えッ? 誰もいないのに声がします。私、勉強しすぎて疲れてるのかしら。それとも道路の死角から変質者に話しかけられてる? 怖い。
『こら、ここだ。剣があるだろ』
 え、なんと剣が話しています。驚きです。剣に出会った時はどう接すればいいのかしら。学校では習いませんでした。
『俺の名前はディプロ。中世時代にはクルセイダー、つまり十字軍騎士達に使われていた由緒ある業物だ』
「へえ。私、田中太郎って言います。さよなら」
『めちゃ偽名?!』
 脇を通り抜けダッシュです。百メートル十一秒の記録はを持つ私を誰も止められやしません。
 家に帰って夕飯を食べ終わると、父が帰ってきました。
「ただいまー。真理耶、面白いお土産があるぞー」
「あら、剣を持ってるあなたって素敵」
 お茶吹きました。酔っ払った父が持つのは、なんとアノ剣。お母さんは興味深々。
『初めまして奥さん。私はディプロ』
「剣のお客さんなんて初めて。玄米茶でいいのかしら」
 もういいや、私。


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